和歌山市|企業訪問日記・サイト担当者による事業者のインタビュー記事|第45回 「リピート率90% 理容ハサミのプロフェッショナル集団」

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第45回 「リピート率90% 理容ハサミのプロフェッショナル集団」
有限会社ハヤシ・シザース

業種:
製造
職種:
ものづくり/

和歌山市のがんばる企業!
今回は、サロンからのリピート率90% 美容ハサミ製造販売の“有限会社ハヤシ・シザース”です。
  

                 ( 有限会社ハヤシ・シザース )
今回は、代表取締役 林 伸昭さんにお話を伺いました。

    ( 代表取締役 林 伸昭 様 )

Q会社の企業理念について教えてください。

 「プロの技術者でありアーティストである美容師の皆様に使っていただく道具は、熟練の技術者によって丹念に仕上げられたものでなければならない。」の理念のもと、自社製造・自社販売という創業以来のスタイルを守り続け、営業担当が直接お客様にお会いして、オーダーいただき、製品一丁一丁を丹精に職人が仕上げています。お客様のニーズを大事にし、お客様が使いやすく、毎日のサロンワークが楽しくなるような製品作りを心がけています。

Q事業内容について教えてください。

 美容用シザーの製造、販売そしてアフターケアまでを一貫して行っております。現在の製造・販売のスタイルは、創業当初から変えることなく行っています。創業当時はお客様に全く相手にされず、それは当時のシザーの販売はメーカーのカタログを見て美容師の方がカタログに掲載されているシザーを注文するという形がすでに出来上がっていたからです。しかし、一軒一軒足を運んでシザーのメンテナンスをするうちに徐々にお客様の信頼を勝ち取り、カスタムオーダーを頂けるようになりました。カスタムオーダーの製品を製造するにあたっては、長さやバランス、重さなど細かな部分までお客様と打ち合わせを行い、半製品を作り実際に手にもって確かめていただき、再度調整をして仕上げの工程に入るようにしており、完成までにはずいぶん時間がかかりますが、手間隙かけてお客様に本当に満足いただける製品をお届けしています。
 当社では新製品の製造販売だけでなく、すでに販売したシザーのアフターメンテナンスにも力を入れています。美容室でシザーを研ぐ業者もありますが、当社は必ず自社工場に持ち帰って研ぐだけでなく鋏全体を再調整するようにしています。それは「単に切れるようにするのではなく、新品に近い状態に戻す」には、新品と同じ品質を確保できる工場で研ぐ必要があるからです。
 営業担当がお客様に直接お会いして、研ぎについてのご要望をお聞きし、ご要望に沿って一丁一丁を丁寧に仕上げており、それがリピート率の高さにつながっていると思います。
   

         (  作業場  )                   ( 研磨作業中 )

Q仕事のやりがいや思い入れのある製品について教えてください。
 当社ではここ10年「研ぎがいらない美容ハサミ」を開発のテーマとしております。研ぎのため当社に使用している鋏を返送いただいている間、お客様はその鋏を使えず、非常に不便だからです。また、海外のお客様の場合には当社に返送するというのは時間とコストがかかり現実的ではないからです。
 そのテーマの中で最初に開発した製品が、当社の製品で“HYS MAX67”です。この硬度では加工できないと言われたHRC67という高硬度のハイス鋼を使い世界一硬いシザーを完成させたときは、とても嬉しかったです。高硬度のため加工が難しく多く試行錯誤を重ね、何度も挫けそうになりましたが、企画から製品化まで数年を費やしようやく完成させました。

Qこれからの事業展開について教えてください。
 美容用シザーで世界一になるということを目標に、ハサミ業界の永遠のテーマに近づけるためにメンテナンスフリーをコンセプトにした製品を開発中です。メンテナンスフリーとは、3年間はメンテナンスが不要であることと当社では定義しています。
 また世界一を獲得するためには、品質とともに十分な数量を市場に供給できるようになることが必要であると考えています。現在世界中の美容師さんに高い品質の日本製理美容鋏を使っていただくための構想を練っているところです

Q
仕事の環境や雰囲気について教えてください。
 職場環境は明るいです。美容ハサミの製造なので各自黙々と仕事をこなしていますが、メンバーの間ではコミュニケーションは十分とれています。20年ほど前から、毎年、全社員でスケジュール調整をして社員旅行に行っています。海外にも行っていましたが、海外に行くと社員が個々に自由時間中に行きたいところに行くようになってしまったので、国内旅行に変更しました。国内だと、団体行動もしやすく、旅館の宴会場を借りて社員全員で食事もできて、コミュニケーションがとれて、社員の結束力があがりました。

Q求める人材とメッセージをお願いします。
 根気の要る仕事ですので、ものづくりが大好きな人で黙々と緻密な職人の作業を続けられる人材が欲しいと考えています。ハサミ職人の専門学校とかはなく、経験者も多い業界ではないので、ほとんどの人がゼロからのスタートになります。職人の世界になるので、技術をモノにするまで早くても3~5年はかかり、仕上げなしに出来るようになるまでには10年かかります。技術が身につくまではしっかりとサポートしますので、一緒に世界一の美容ハサミをつくりましょう。