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第121回、「染料」と「フィルム」という二本柱で、
世界を舞台に事業を展開
紀和化学工業株式会社

業種:
製造
職種:
ものづくり/ エンジニア(機械・設備・IT)/

和歌山市のがんばる企業!

世界を彩り、光を届ける技術力――紀和化学工業株式会社

企業訪問日記をご覧の皆様、こんにちは!

第121回となる今回は、「染料」と「フィルム」という二本柱で、世界を舞台に事業を展開する『紀和化学工業株式会社』をご紹介します。

総務担当取締役瀧本佳功さんにお話を伺いました。

(総務担当取締役瀧本佳功さん)

会社について

会社の歴史を教えてください。

  • 1954年 会社設立。和歌山市新魚町28番地に本社・工場・試験室を設置。 ラピットゲン染料・ピグメントレジンカラーを製造。
  • 1957年 本社を和歌山市雄松町6丁目に移転し、生産の充実と合理化を図る。
  • 1963年 和歌山市宇須4丁目4番2号に新工場を建設。
  • 1966年 ポリエステル繊維用分散染料の開発に成功。
  • 1968年 再帰反射シートの開発に成功、和歌山市中之島969に工場を新設。
  • 1972年 反射シートの製造工場を紀の川市貴志川町北196の1に新設。
  • 1978年 反射シート及びテープJISZ9117のJIS規格を取得。
  • 1979年 高級ナフトール染料の製造を開始。
  • 1982年 繊維染色用反応性染料の開発に成功。
  • 1988年 本社社屋が和歌山市南田辺丁33番地に完成。
  • 1993年 省力化と防塵化した生産ライン(3号機)のための貴志川工場第2工場棟竣工。
  • 1994年 色抜き規制に基づく廃水処理設備の設置、稼働。
  • 1996年 スプレードライヤー設備及び粉体配合自動計量充填設備を雄松工場に導入。
  • 1997年 フィルム事業部、ISO9002-JQA1717取得。
  • 1998年 貴志川工場、自動梱包設備、自動無人搬送設備を設置。ラミネート及びキャスティング機増設。
  • 2002年 デジタル画像印刷用各種フィルム及びインクジェット印刷用各種インクの開発に成功。
  • 2003年 フィルム事業部、貴志川研究所竣工。ISO認証番号をISO9001-JQA1717に変更。
  • 2004年 染料事業部雄松研究所竣工。
  • 2007年 大阪税関が貴志川工場を保税工場に認可。
  • 2007年 多目的用途のコーティング設備及びクリーンルームのために貴志川工場  第3工場棟竣工。
  • 2017年 公益社団法人中小企業研究センター 2016年度グッドカンパニー大賞の優秀企業賞を受賞。
(本社)
(貴志川研究所)

経営理念はどういうものですか。

≪経営理念≫

紀和化学工業の経営理念は、「徳育」「創造」「奉仕」の三本柱です。

●徳育

人格や倫理を重んじ、誠実な企業活動を通じて信頼を築く姿勢を大切にしています。従業員一人ひとりが人間力を高め、育んでいくことを目指しています。

●創造

研究開発と品質向上に努め、常に新しい価値を生み出すことを追求しています。過去の実績を大切にしながらも、現状に即した柔軟な発想で、ものづくりを進化させています。

●奉仕

産業を通じて地域社会に貢献し、すべてのステークホルダーに誠実に向き合う姿勢を貫いています。

この理念のもと、同社は地域に根ざした企業として発展を続け、多様化するニーズに応える製品づくりに取り組んでいます。

事業内容を教えてください。

紀和化学工業は、染料事業とフィルム事業の二つの柱を中心に展開しています。

染料事業部では、分散染料や反応性染料などの製造・販売を行っており、ポリエステル染色用染料の分野では国内最大手の一角を担っています。
染料・顔料の原料を自社で調達・生産している点も大きな強みです。
また、ユニフォームや店舗前の幟などに使用されるインクジェット印刷製品の開発にも注力しており、インクに最適化されたオリジナルプリンターの販売も行っています。

フィルム事業部では、世界に十数社しかない反射シート製造メーカーの中で、国内製造を行う数少ない企業として高い技術力を誇ります。
反射シートでは、道路標識やナンバープレート、機能性フィルム分野では、車体などの装飾用のデコレーションフィルムなど、国内外で幅広く使用されています。
特にナンバープレート用フィルムの生産量は国内トップクラスを誇ります。

(染料事業製品)
(フィルム事業製品)

大切にしていることはどういったことですか。

やはり日本製品としての品質が最も重要です。 細やかな対応や柔軟なサポート体制を強みに、大手企業との差別化を図りながら、お客様に寄り添ったサービスを提供しています。

働く環境と育成方針について

職場毎の雰囲気や仕事のやりがいについて教えてください。

フィルム事業部では、海外顧客との取引も多く、展示会や出張を通じてグローバルに活躍できる機会があります。
自社製品が世界中で使用されていることを実感できる点が、大きなやりがいにつながっていると言えるでしょう。

染料事業部では日本全国の顧客に販売展開を行っています。
色材という材料を扱っている為に日常生活で身近にみられる商材に触れることができることがやりがいにつながっているでしょう。

社員の育成はどうされていますか。

育成はOJT(実務研修)を中心に行っており、「失敗こそ成長の糧」として、まずは挑戦する姿勢を大切にしています。
また、技術職向けの外部講習や、営業職の語学学習など、個々のスキルに応じた支援も行っています。

資格取得について教えてください。

製造部門を中心に、業務に必要な資格取得を支援しています。
合否に関わらず、初回の受験費用を補助しており、必要な資格については会社で登録・手当支給を行う制度も整えています。

福利厚生についてはどうですか。

社員旅行は2〜3年に一度実施され、食事・宿泊・バス代等の交通費はすべて会社負担です。
コロナ禍を経て、昨年から再開し、城崎温泉への旅行を実施しました。過去にはバリ島や香港への海外旅行を実施したこともありました。

今後の目標や計画について

今後の目標や計画について教えてください。

社員が“この会社で働けてよかった”と思える職場をつくりたいという思いがあります。
交通安全に関わる製品を通じて社会に貢献し続けるとともに、新たな開発にも意欲を見せています。

求める人材について教えてください。

会社としてはよりよい製品を今後も提供することで、社会に貢献していきたいと思っています。
求める人材としては、好奇心や探究心を持ち、わからないことを素直に聞ける方。 一芸に秀でた個性を持ち、他者の意見に耳を傾け、協力しながら物事を進められる方を歓迎しています。
「仕事は一人ではできない」という考えのもと、チームでの連携を大切にできる方にぜひ来ていただきたいです。

最後に現在就職活動中、今後活動する方へのメッセージをお願いします。

人生は一度きり。たくさんの会社を見て、悔いのない選択をしてほしいと思います。
その中で、もし紀和化学工業に興味を持っていただけたなら、ぜひその扉を開けてみてください。

インタビューを終えて

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。
訪問時には実際に染料事業部の材料で加工された製品、フィルム事業部の材料で作られたナンバープレート、フィルムシートに触れながら、製品の品質や特徴について丁寧にご説明いただきました。
創業者である初代社長は技術者であり、発明家としての一面も持ち合わせていたそうです。
戦後何もないところから地場産業に目をつけ染料製造に取り組まれたこと、また、アメリカで当時、1社しか製造されていなかった反射シートに着目し、日本での製造に挑戦。
材料メーカーとの連携を重ね、試行錯誤の末に製品化に成功したというエピソードからは、「創造」の理念に通じるチャレンジ精神が感じられました。
国内トップクラスの品質を誇るフィルム製品に対する誇りと責任感、そして地域社会とのつながりを大切にする姿勢が印象的な企業でした。
このインタビューが、皆さんの進路選択やキャリア形成の一助となり、地元企業の魅力を再発見するきっかけとなれば幸いです。
「紀和化学工業株式会社」さんのさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます。