和歌山市|企業訪問日記・サイト担当者による事業者のインタビュー記事|第112回「TRY! HISHIOKA さあ、やってみよう」をキャッチフレーズとする『菱岡工業株式会社』

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第112回「TRY! HISHIOKA さあ、やってみよう」をキャッチフレーズとする『菱岡工業株式会社』
菱岡工業

業種:
製造
職種:
営業/ 管理・事務/ ものづくり/ エンジニア(機械・設備・IT)/

和歌山市のがんばる企業!

企業訪問日記をご覧の皆様こんにちは!

第112回、今回ご紹介するのは「TRY! HISHIOKA さあ、やってみよう」をキャッチフレーズとする『菱岡工業株式会社』です。

常務取締役岡田美紀さんと社長室長・本社工場長新谷浩久さんにお話を伺いました。

会社について

・会社の歴史を教えてください

  • 1974年 4月(昭和49年4月)創立です。
  • 1974年 5月(昭和49年5月)三菱電機㈱和歌山製作所(現:冷熱システム製作所)の協力会社として、ミシン部品の加工、組立を開始しました。
  • 1976年 9月(昭和51年9月)ノーリツ鋼機㈱の協力会社として、写真現像機器組立を開始しました。
  • 1987年10月(昭和62年10月)三菱電機㈱和歌山製作所の業務用空調機器・冷凍機器の制御機組立、ワイヤーハーネス等の製作を開始しました。
  • 2003年 8月(平成15年8月)本社(現:海南工場)を中島に移転しました。
  • 2007年 4月(平成19年4月)海南工場で板金加工事業を開始しました。
  • 2012年 8月(平成24年8月)西浜工場を新設し、海南工場の板金加工部門と本社の組立部門の一部を移設。板金から組立までの一貫生産を開始しました。
  • 2018年10月(平成30年10月)本社新社屋が完成し、企業主導型保育事業(わっしょい保育園)の開設と社員食堂を新設しました。

・経営理念はどういうものですか

「つくる」歓びと感動 です。

「豊かな生活」と聞くと何を思い浮かべるでしょう?精神的な価値が高まり、満たされること。そして日々生活していくための物質的な豊かさ、どちらも必要ではないでしょうか。製造業は、人が幸せで豊かな生活を送るための土台を生み出し、また、それを日々進化させていく大切な営みです。そこにあるのは言葉通りの「ものづくり」だけではなく、その向こうにいる人や、その人たちの日常です。私たちは、つくるものの先にある人と、その生活に思いを馳せ、心のこもったものづくりを心がけています。そして同時に、つくることを通じて働く人の夢や喜び、感動をも生み出すことができると思います。ものの形が違うように、人も夢もさまざま、関わる人がそれぞれ心豊かになれる場づくり、人づくり、ものづくりができるよう創意工夫を怠らず、たゆみなく努力し、成長し続けます。

社是打つ手は無限

「決して諦めなければ、実現できないことはない」です。

社訓五つの心

  • 「ハイ」と言う、素直な心
  • 「すみません」と言う、反省の心
  • 「おかげさまで」と言う、謙虚な心
  • 「させて頂きます」と言う、奉仕の心
  • 「ありがとうございます」と言う、感謝の心 です

・事業内容を教えてください。

菱岡工業は、三菱電機㈱様のパートナー企業として、工場やビル、スーパー、コンビニといった場所に設置される 業務用エアコンや業務用冷凍機などの製造を主に手掛けています。中でも制御機器や電気機器のハーネス加工、板金加工、 さらに組立まで担える幅広い技術力が強みです。

指示されたままを作るのではなく、常により良い製品を提供できるよう、高品質なものづくりに取り組んでいます。

開発設計では、お客様の要望をしっかり受け止め、ノウハウを生かして提案します。

ハーネス加工では、小ロットから量産まで幅広く一貫体制で短納期にも対応します。

板金加工では、多種多様な機械と加工技術で各種金属加工に対応します。

組立加工では、設計・アレンジも含めて製品の組立はお任せください。

・独自の取り組みはありますか。

  1. 板金も組立もトータルに請け負う一貫生産体制へトライ! します。 菱岡工業は元々、電気機器・制御機器の組立において使用する「ハーネス」の製造を主軸としていました。 リードタイム短縮・技術力向上・製品の付加価値向上を目指し、「外注していた板金部品も自分たちで作ってしまおう」というのが大きなトライ!です。
    さっそく板金部品を作り、最終工程まで一貫して自社で生産できる体制を構築しました。 これによって、受注から出荷までの期間が短縮され、試作品も短納期でできるなど、無駄のない合理的な生産が可能になりました。
  2. ないなら作ろう!積極的な提案で夢やお悩み解決にトライ! します。 いろいろな可能性を模索するのが菱岡工業のスタイルです。「こういうものがあればいいのにな」。
    そんな夢や困りごとの解決策を積極的に具現化することにトライしています。 お客様の夢を叶えながら、そのための知識や技術を学べる、そんな風に互いがプラスになるが理想的ではないでしょうか。 創意工夫の為にも日々熱意のある社員にはどんどん機会を与えて、学んでもらえる充実した研修体制も整えています。
  3. 日々、昨日の自分に挑み続けるオープンな工場にトライ! します。 菱岡工業の本社、西浜工場はその内部をGoogleストリートビューで公開中です。
    製造業が工場の中をweb上で見せるなんて、ありえないというのが定説です。 そこには本来企業秘密である技術や仕組みが詰まっているわけですから、見せたくないのもわかります。 でも菱岡工業はオープンであることにトライします。オープンになった時点で、その技術はもう世の中に出てしまった「新しくない」技術になってしまいます。 でも、そこがちょっとした狙いです。
    なんでも公にして共有し、また次のステップに進んで、新しいものを手に入れようと試行錯誤します。私たちはそんな風に自分たちを成長させていきたいと考えています。
  4. 障がいがあっても大丈夫!快適な職場環境でトライ! します。 障害がある人たちの職業選択の幅を広げ、それぞれの持つ夢を叶えたい。
    そんな想いで、障がい者雇用にも積極的に取り組み、本人の意向に沿って快適に働ける環境づくりにトライしています。 最初は作業の補助や単純作業から始め、より高度な作業ができるよう、希望や成長度合いをヒアリングしながら OJTを通じてスキル向上を図り、それぞれの適性や可能性を見据えた職場提供を心がけています。 この取り組みは、職場の雰囲気や社員の心配り面でもプラスの効果をもたらしています。

仕事について

・職場で担当する業務、職場の雰囲気・やりがいについて、教えてください

【職場の雰囲気】
どの従業員も神経を集中しなければならない精密作業に従事しているため、作業中の私語は禁止です。ただし、仕事に関するやり取りは可能です。
【仕事のしやすさ】
菱岡工業には周りに助けてくれる人がたくさんいるので、非常に仕事のしやすい環境が整っています。 いろいろな業務があるので、スキルアップを図れるところがよりいいところだと感じています。
【女性社員から見た、職場での働きやすさ】
入社当初は想像以上に業務が多岐に渡っていて驚きましたが、実際に働いてみると、1人で淡々と仕事をするというよりは メンバーで分担して行ったり、協力し合う業務が多く、いろいろな意見を取り入れることが大事だと実感しています。
【やりがい】
私たちの作った製品が、世界中で使われ、人々のお役に立っていることに誇りと喜びを感じます。

・社員の研修(キャリアプラン等)はどうされていますか。

新入社員は、週に1回、3.5か月の研修があります。 その他、社員の研修には、社内研修と社外研修があります。社外の先生を招いて、何日かにわたり継続的に研修をすることもあります。 三菱電機様の資格検定も受けられます。 大学生の採用内定者から、「事前にどのような勉強をしておけば良いですか」と聞かれますが、教育・研修制度が整っていますので、 仕事については入社してからの勉強で心配ありません。

今後の目標や計画について

・今後の目標や計画はありますか。

既存の考えや技術に捉われず、さまざまな分野の製品に挑戦し続けた結果、得意先も年々増え、業務用調理器、発券機など 菱岡工業の技術が様々な製品に活かされるようになっています。最近では新たに介護ロボットに着手するなど、まだまだ立ち止まることなくトライし続けます。
大幅にフロアを拡大した4階建ての屋内には、子どもを産んでも働きたい、長く働きたいという人のために、 0歳から預けられる保育園を設け、社員食堂やカフェも併設、保育園、カフェのどちらも一般の方も利用できる開かれた 工場・社屋にするなど、新たな展開を見据え、社員とその子供たちまでをトータルで育成できる企業を目指します。

・菱岡工業から就職活動をされている人たちへのメッセージはありますか。

知識の有無や学校での得意科目は関係ありません。それよりも必要なのは「やる気」と「素直さ」です。 私たちは専門的な知識にこだわらず、ガッツのある人材を求めています。何よりこの仕事をしたいという熱意のある人。 なんでもやるぞ!という向上心のある人。できないと限界を決めずにやってみようと思える人。一緒にいろんなことにトライしてみませんか。

製造業だからといって男性が向いているとは限りません。本社工場の現場では女性の方が多いくらいです。障がい者の雇用も積極的にしており、 ただ受け入れるだけでなく、働きやすい職場に力を注いでいます。 大学卒の採用者は、3か月の研修で本人の能力をみます。そして、ジョブローテンションによって仕事を変えることが出来ます。 このことを、私たちは“前向きな総合職”と言っています。高校生は職種別に採用します。

インタビューを終えて

中島のJR高架を渡るとき、いつも菱岡工業さんの斬新な大きな建物が目に入ります。外壁に木をふんだんに取り入れた目を引く建物です。 この度、企業訪問で建物内に伺う機会をいただき、有難く思いました。案内していただいた建物内にも、紀州材がたくさん使われ、 とても綺麗なことに感動しました。

2階には、関連事業の「ジョイ・コム」の障がい者の皆さんが綺麗な職場で働いていました。 1階には、企業内託児所の「わっしょい保育園」が乳幼児の為に工夫された設備を備えて開設されています。 また、道路側にあるカフェ「toco⚹towaDELI」では、お客様が楽しそうに食事をされていました。

さて、整然と整理された工場内では、従業員さんが、精密なハーネス加工や組立加工に神経を集中して作業されている姿が印象的でした。 「納入先の工場では、私たちの工場で組み立てた部品をスムーズに組み込んで製品が仕上がります。 製品の重要部品であり、頭脳・血管・神経に当たります」との説明は分かりやすく思いました。

従業員さんが仕事のしやすい環境で作業され、障がい者の雇用、高齢者への思いやり、充実した福利厚生も素晴らしいです。 さらに、女性が働きやすいように、保育園を併設されるなど、すべてに行き届いた思いやりを感じます。 製品の品質に厳しく、人に優しくの会社の気持ちが察せられます。

ご多忙中、対応いただきました岡田常務、新谷社長室長・本社工場長、工場の皆さま、本当に有難うございました。 菱岡工業さんの新分野への進出を始め、今後ますますのご繁栄を祈念いたします。