和歌山市|企業訪問日記・サイト担当者による事業者のインタビュー記事|第111回 21世紀和歌山の情報伝達産業のリーディング・カンパニーをめざす

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第111回 21世紀和歌山の情報伝達産業のリーディング・カンパニーをめざす
西岡総合印刷株式会社

業種:
製造
職種:
営業/ 管理・事務/ ものづくり/ エンジニア(機械・設備・IT)/
企業訪問日記をご覧の皆様こんにちは!
第111回、今回ご紹介するのは「21世紀和歌山の情報伝達産業のリーディング・カンパニーをめざす」をキャッチフレーズとする『西岡総合印刷株式会社』です。
代表取締役社長石橋英二さんにお話しを伺いました。

会社について

会社の歴史を教えてください。

  • 昭和7年7月、海草郡野上町動木に西岡印刷所を創業しました。
  • 昭和39年12月、ドイツ製ハイデル平版印刷機の導入によりオフセット印刷部門の新設を計りました。
  • 昭和41年8月、法人に改組し西岡総合印刷株式会社としました。
  • 昭和45年8月、海南市重根にオフセット印刷海南工場を新設しました。
  • 昭和48年3月、和歌山市吹屋町に社屋を新築し、本社および写真製版部門を移転しました。
  • 昭和48年4月、本社に企画・デザイン・撮影部門を新設しました。
  • 昭和52年8月、小森印刷機械製スプリント型2色刷平版印刷機を増設しました。
  • 昭和53年4月、小森印刷機械製スプリント型2色刷平版印刷機(ハイパイル)を増設しました。
  • 昭和58年5月、小森印刷機械製スプリント型4色刷平版印刷機を増設し、コンピュター自動作図機CADシステムを設置しました。
  • 昭和60年3月、東レ電子組版システム装置を設置しました。
  • 昭和62年6月、IBMオフィスコンピュターを設置しました。
  • 平成元年4月、東レ電子組版LANシステム装置を増設しました。
  • 平成4年5月、C・I(コーポレート・アイデンティティ―)展を開催しました。
  • 平成9年8月、コンピューター総合管理システム・社内LANを導入しました。
  • 平成10年1月、インターネットコンテンツ制作事業を開始しました。
  • 平成14年11月、年賀状印刷の専門サイト「年賀本舗」を運営開始しました。
  • 平成15年8月、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の調査事業を行いました。
  • 平成17年10月、オンデマンド印刷事業を開始しました。
  • 平成18年~21年、「挨拶状BiZ」「名刺本舗」「表彰状.com」「オンデマンドP」「喪中はがき.com」「絵はがき.net」「カレンダーらんど」など、印刷通販サイトの運営を開始しました。
  • 平成22年10月、年賀状印刷サイト「年賀本舗」に、印刷プレビュー・編集システムを導入しました。
  • 平成28年9月、職業生活と家庭生活の両立を積極的に支援する行動計画を策定しました。
  • 平成30年10月、わかやま結婚・子育て応援企業同盟に参加しました。
  • 令和元年9月、職業生活と家庭生活の両立を積極的に支援する行動計画を継続策定しました。

経営理念はどういうものですか。

「西岡総合印刷は、21世紀和歌山の情報伝達産業のリーディング・カンパニーをめざします」を経営理念としています。
 社是は、「私たちは、常にお客様の立場に立ち、向上心を持って自主的に行動し、お互いに切磋琢磨し、お互いを尊重しあい、質の高い仕事をする集団をめざします」です。

事業内容を教えてください。

当社の事業内容として、
  1. 印刷ネット通販サイト運営
  2. パンフレット・チラシ等の企画・デザイン・印刷
  3. 商品パッケージの企画・デザイン・印刷
  4. 印刷物全般の企画・デザイン・印刷
  5. ホームページ企画制作
の5本柱に力を入れています。

独自の取り組みはありますか。

  1. 当社は、和歌山県内の印刷会社で最初にDTP(Desk Top Publishing)を導入するなど、常に業界の先端を走ってきました。営業からのインプットを素早くデジタル化し、印刷加工する体制をとっており、完全デジタル化によるスピーディな対応で評価を得ています。
  2. SDGsに取り組んでいます。
    当社では、オーガニックバナナの茎の繊維を使い日本初のフェアトレード認証のエコ用紙を使った「バナナペーパー年賀状」を印刷しています。
    SDGsの17項目すべてにつながる、人にも環境にもやさしい年賀状です。
  3. 職業生活と家庭生活の両立を積極的に支援する行動計画を策定しました。
    仕事と家庭の両立に関する取り組みをしています。
    “働きやすい職場環境づくり”についてお話しします。
    育児休業の取得(もちろん男性も)復帰後は希望により所定労働時間の短縮等の制度が利用できるなど、復帰・継続しやすい環境整備を行っています。
    また、急な欠勤や繁忙期に業務が1人に集中しないように部内で業務量の分担調整を行い、各部員が他の人の業務も滞りなく遂行できるようにスキルを磨いています。
    “再就職支援”についてお話しします。
    育児が一段落し再就職を希望する人に向けて求人を発信し、「今の自分に出来ることを、できる時間で」活躍して下さる方を積極的に求めています。
  4. わかやま結婚・子育て応援企業同盟に参加しました。
    これから結婚・子育てをする世代の社員が制度を利用して、仕事で能力を発揮しつつ家庭と両立して行けるような職場づくりに取り組んでいきたいと思います。

職種を教えて下さい。

職種は4種類あります。「総合職」は、お客様を訪問し、印刷物の企画提案を行う営業をはじめ、受注商品の生産設計・工程管理など、印刷管理業務全般を行います。
「Web制作・運営」は、自社通販サイトの制作(HTML5、CSS3、WordPress等)や、ショップ運営を行います。また、お客様から依頼されたWebサイトの作成・保守業務も行います。「DTPオペレーター」は、営業社員のヒアリングに基づき
Photoshop・Illustratorなどを使ってデザインを作成します。時には複数スタッフをまとめるディレクターとしての役割を担うこともあります。「生産業務」は、
最新のオンデマンド印刷機でお客様の思いをカタチにするオペレーターです。弊社の高品質な印刷を支える重要な業務です。

職場で担当する業務、職場の雰囲気・やりがいについて。

従業員に思いを聞いていますので紹介します。

≪営業担当の女性社員の感想≫

営業部としてお客様の対応や原稿の作成、校正のやり取り等を行っています。他にも御見積書の作成や印刷物の納品・集金、またお客様から相談を受けて印刷物作成時のアドバイスや企画作成を行ったりします。
お客様のご要望に沿った印刷物ができるよう、デザイン課と連携し、スケジュールの調整や仕様の決定などを行います。デザインを1から作成する際には、イメージや記載内容を細かくヒアリングし、打ち合わせをしていきます。その内容を元にデザインしやすいよう原稿をまとめ、文章をデータ化したりイメージ画像を探して添付したりするなど、デザイン作成者に意図が伝わるように原稿を整えます。
印刷物の作成が進んだ際には内校や校正紙の断裁・製本を行い、お客様と連絡を取り合って修正を交えつつ校了までお手伝いをします。印刷物の仕様なども営業で決定し、御見積も行います。また、定期的にお作り頂いている印刷物などは時期をみてお声がけをしています。
コンペティション等の際は説明会に参加し、企画参加の可否を決定します。デザイン課と相談しつつ行いますが、御見積書や印刷仕様・スケジュールなどを見て総合的に判断します。
【職場の雰囲気】
 繁忙期など忙しく感じる時期もありますが、基本的には個人個人で落ち着いて仕事ができるように感じます。他部署とのコミュニケーションも必要な分は取れているように思います。全体的に静かに感じる時が多いですが、質問や相談には快く乗ってくれる社員が多いため、気になるほどではなく、個人的には1人で集中したい
 時が多いため、ありがたいです。ただ、相談などがある際に他部署へ行くのに緊張する部分があります。
【やりがい】
納品の際にお客様より「良いものができました」とお礼を言われるとやりがいを感じるように思います。また、漠然とした状態だった原稿を営業でまとめて入校した時、その初稿のデザイン等に対するお客様の反応が良いと、ご要望をきちんと拾えていたと嬉しくなります。長くお客さまと打ち合わせを重ねた印刷物が完成した時には達成感を感じます。
様々なお客様がいらっしゃるため、内校などで普段触れない分野の文章を読む機会が多く、知らない知識に出会えること、様々なアイデアに触れられることは楽しく思います。
【女性社員から見た、職場での働きやすさ】
急な体調不良等の際に有給休暇を取りやすく、非常にありがたく感じています。残業も少なく、早い時間に帰宅できるため安心感もあり、体力面でも助かっています。また、出産・育児休業などの制度が充実していたり、仕事時間等の配慮もされており、職場復帰もしやすいという印象があるため、結婚後に出産・育児などが控えている女性は安心できると思います。仕事内容等で男女差を感じることは特にありません。会議なども重々しい雰囲気ではなく、性別や年齢に関係なく言いたい意見は言いやすいように感じます。
【地元で働く良さ】
 ある程度知った土地であるため、お客様との雑談に事欠かないことです。地域のあるある話などで共感を得られるのか、地元というだけで親しみを持って下さる方が多いため、営業としてはアドバンテージになると感じています。数年前の地域の様子などを少しでも知っているのは話が弾みやすくなるのだと思います。
 また、学生時代は意識したことがなかった地元の新たな魅力を発見できます。特に県の仕事などを行うと有名な観光地以外の観光地や飲食店に詳しくなり、地元だけど今まで行ったことのなかった場所などに興味を持てるようになりました。
 お客様と話したり、内校をしたりしている中で、昔気にしていたけれど忘れてしまった疑問などが数年越しに偶然解消されることがあって面白いです。

≪インターネット担当の女性社員の感想≫

自分が担当する業務の内容は、印刷通販サイトの運営管理、受注処理、印刷用データの作成等です。主に表彰状に関するご注文を担当しています。
職場の雰囲気については、分担して作業をしているため、1人ひとりが集中して仕事に取り組むことができる環境です。また、業務の改善提案などを上司に相談しやすいと感じます。
仕事のやりがいは、通販で商品を販売しているとは言え、お客様からお礼の言葉をいただく機会が多いので、お客様のお役に立てていることにやりがいを感じます。
女性社員から見た、職場での働きやすさは、同じ年代の女性職員が多いので居心地が良いです。これまで育休・産休を取られる先輩が何名もいらっしゃったので、
希望する方はそういった休暇を取りやすい環境だと思います。地元で働く良さもあります。慣れ親しんだ環境なので、精神的に安定して過ごすことが出来ます。
社員の研修(キャリアプラン等)はどうされていますか。
社員の中で、個人的に資格を取ろうとする人を支援しています。全社員に「日本人用の日本語検定中級」を取得してもらいます。漢字検定2級までを取っている社員も多いです。わが社は文字を仕事にしていますので、全社員にとって、正確に文字を理解できることが必須の要件です。

今後の目標や計画について

今後の目標や計画はありますか。

総合印刷会社として当社が長年養ってきたデザイン力・企画力・コンサルティング能力を基礎にし、IT、デジタル技術をフルに活用し、お客様の目的ニーズに合致したベストな情報伝達手段を提供できる会社をめざしています。そして、情報伝達という仕事を通じ地域社会に貢献し、信頼される会社をめざします。
地域の会社や人々が何か情報発信を思い立った時、より効果的な情報発信をしたいと考えた時、より効果的なデザイン・企画が欲しいと考えた時、すぐに当社の事が頭に浮かび、「まず西岡総合印刷に相談してみよう」と言われるような会社をめざします。「西岡総合印刷の社員はみんなよく勉強している、頼りになる」と言われたいのです。情報化社会といわれる21世紀に必要とされる会社をめざします。

西岡総合印刷から就職活動をされている人たちへのメッセージはありますか。

常に向上心を持って、積極的に変化を恐れず、チャレンジできる人を求めます。
 

インタビューを終えて

≪和歌山市役所のインターンシップ生の感想≫

西岡総合印刷さんを訪問して、印刷会社のイメージが覆されました。
私が印刷会社に持っていたイメージは、ポスターやパンフレットを制作するために紙に印刷する事業を行っているイメージでした。しかし、西岡総合印刷さんは、全国に先駆けてインターネットでの印刷物の通販を行い、全国各地から注文を受けています。現在では14もの印刷通販サイトを運営しているところから、和歌山だけでなく日本全国を対象にビジネスを行っていることに驚きました。和歌山市の住宅街の一角で、このような事業を行えているのはインターネットの力であることを知り、インターネットが社会を変えているところを目の当たりにしました。通販事業において、自社サイトがネット検索画面の上位に出てくるようにして、お客様にサイトを見つけやすいようにされています。印刷会社でなくIT企業のような印象を持ちました。
またバナナの茎やお米でできた紙を使い印刷物を作成して、環境に配慮した事業に取り組んでいることに魅力を感じました。このように印刷会社としてのイメージを覆されられるような取り組みは、印刷会社を情報伝達産業と定義し、そのリーディングカンパニーになることを掲げる企業理念を体現しています。
作業場を見せていただいた際も、印刷会社に持つイメージを覆されました。印刷機が大きな音を立てながら作動し、インクの匂いが立ち込めているイメージでした。しかし、印刷機は静かでインクの匂いは一切なかったのです。
企業訪問を通じて、和歌山には魅力的な事業を展開されている企業がまだまだあるように思います。企業訪問日記は、企業の魅力を伝えることで、就職を考えている人に有益な情報を伝え、また企業間の取引につながるツールであると思いました。

≪和歌山市産業政策課の感想≫

印刷会社の訪問に当たって、工場の見学を楽しみにしていました。でも、工場の様子がイメージと全く違います。大きなコピー機のようなオンデマンド印刷機が整然と並び、インクの匂いもなく静かな工場です。「これが工場?」と思いました。住宅街の中に会社があることを不思議に思いましたが、納得できました。“オンデマンド印刷”という聞きなれない言葉も、石橋社長のお話をお聞きしているうちに理解できました。 
インターネットで印刷の注文を受ける。お客様と打ち合わせをする。お客様が了解された設計で印刷する。素早く仕上げて発送する。全国各地から注文が入る秘訣は、自社サイトがネット検索画面の上位に上がってくるようにすることと言われました。西岡総合印刷さんが、印刷業界の先端を行く印刷会社なのが分かりました。
“顧客満足”、“向上心”、“社員満足”、“プロ意識”という会社の行動指針4S活動がなされていて、そのことによる従業員皆さんの心が製品の品質向上につながっているのだと思いました。
全国各地から届くたくさんのお客様の感謝の声のファイルを見せてもらいましたが、その枚数は大変な数でした。
石橋社長の言われる、わが社は「情報伝達産業です」が印象的でした。
西岡総合印刷さんが、これから更に何を企画されるのか楽しみです。
石橋社長、工場の皆さま、本当に有難うございました。