和歌山市|企業訪問日記・サイト担当者による事業者のインタビュー記事|第109回 ご利用者に満足感・ご家族に安心感

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第109回 ご利用者に満足感・ご家族に安心感
社会福祉法人わかうら会

業種:
医療・福祉・保育
職種:
医療・福祉/

和歌山市のがんばる企業!

企業訪問日記をご覧の皆様こんにちは!
第109回、今回ご紹介するのは、「ご利用者に満足感・ご家族に安心感」をキャッチフレーズとする 『社会福祉法人わかうら会』です。
今回は、理事長の土山憲一郎さんと事務長兼地域包括支援センター長の土山德泰さんにお話しを伺いました。

会社について

・会社の歴史を教えてください

平成7年8月、和歌山県知事より社会福祉法人の設立の認可を受けました。
平成8年11月、「特別養護老人ホーム・短期入所生活介護・通所介護・在宅介護 支援センター・診療所」の総合的な高齢者福祉施設として開設しました。平成9年 11月「グループホーム」(和歌山県初)、平成10年10月「ホームヘルパー」、 平成14年8月「ケアハウス」、平成18年6月「デイサービスセンター雑賀荘」 平成23年11月「第2グループホーム」、平成27年10月「地域包括支援セン ター雑賀」をそれぞれ開設しました。現在、職員数は145名です。

・わかうら会の基本理念はどういうものですか

1.利用者の人間性・人格を尊重し、家族や地域の方々との積極的な交流を図りな がら、利用者が「人として生き生きとした尊厳のある生活」が継続されるよう 努めます。

2.利用者が安心してサービスが受けられ、また安全で安心した生活を していただけるよう、サービスの質の向上と、生活環境の向上に努めます。

3.地域と共に歩み、地域に愛され信頼される地域の拠点として、成長し続ける施設を目指します。

・事業内容を教えてください

令和5年1月31日現在、入所系サービスは特別養護老人ホーム(定員50名)、 ケアハウス(定員50名)、グループホーム(3ユニット、定員27名)、ショート ステイ(定員17名)、があります。在宅系サービスはデイサービスセンター(1日 定員18名が2ヶ所)、ホームヘルパー、ケアプランセンターがあり、公益事業として診療所、 地域包括支援センター、地域交流事業等が主な事業内容です。

・わかうら会の独自の取り組みはありますか?

1. インカム(イヤホン付きトランシーバー)導入による業務負担の軽減
① 最も近くにいる職員が呼び出しに対応、効率的なケアが可能になりました。
② 対応に苦慮した場合でも、インカムを通じ即座に先輩職員のアドバイスをもらえ、 安心して仕事ができるようになりました。

2.ICTロボットの導入
※ICTとは「Information and Communication and Technology」の略称で、 日本語では「情報通信技術」と訳されます。
①介護機器による腰痛防止
ロボットICTは、人間の動作を補助するものです。移動式のロボットが利用 者を抱えベットからの移動を助けます。25年前、介護職員は「利用者の介護 をするために腰にコルセットをして作業をするようになったら一人前」と言っ ていたことは、今は昔です。
②ICTロボットの導入
介護職員からの腰痛に関する相談件数が以前より減少しました。「床走行式電 動介護リフト」の使用前と使用後の感想を聴くと、「勤務後の次の日の身体疲 れが以前ほど、残らなくなった」と声が多くありました。

3.外国人介護人材の活用
2016年10月から2名のベトナム人留学生の受入を開始し、今日までベトナ ム人3名・中国人4名・インドネシア人4名の合計11名を外国人就労制度(在留 資格「介護」)により受け入れていました。2022年12月現在は、4名が専門 学校を卒業し、介護福祉士として当法人で勤務しています。
今後、残り7名の学生も1~3年間日本語と介護を学び、近い将来、当法人の職員 として勤務していただく予定です。

4.カフェ・体操教室等の地域交流活動
地域の高齢者等の居場所づくりとして、地区の公民館や地域包括支援センター内にカフェ・サロンを 開設しています。

5. 避難訓練や奉仕活動の支援
地域住民と共に避難訓練を実施し、レクリエーションや車いす清掃等の奉仕活動 団体の受け入れを実施しています。(コロナ禍は休止)

仕事について

・業務と職員構成を教えてください

職種は15種類くらいあります。介護職員63名、調理員12名、ケアマネージャー12名、 ホームヘルパー10名、看護職員(准看含む)9名、宿直員8名、事務員4名、生活相談員4名、 清掃及び洗濯員(メンテ含む)4名、機能訓練指導員4名、社会福祉士4名、保健師3名、 医師2名、栄養士(管理栄養士含む)2名、管理職4名からなります。全体平均年齢は54歳で、 合計145名です。またこの人数以外に7名の外国人留学生が将来の当法人介護職員(介護福祉士)を 目指して在籍しています。

・職場の雰囲気はどうでしょうか

若手職員は「ベテラン職員さんから経験を踏まえた仕事のアドバイスをいただけるので嬉しいです。 休みの日には時々一緒にボウリングに行くなど良い関係を築けています」と言っています。 「面倒見のよい先輩職員も多く、公私共にお世話になっています。 経験を踏まえた仕事のアドバイスをいただけるため嬉しいです。夏にはバーべキューやゲームを行い、 時間を忘れて遅くまで楽しく過ごした事もたくさんあります。」といった職員さんのお話からも、 優しく明るい人が多く、職場は、若手からベテランまでコミュニケーションが活発な、 風通しの良い雰囲気があるようです。

・社員の研修(キャリアプラン等)はどうされていますか

職員の研修制度は充実しています。経験年数が8年以上の管理職職員、5年以上の上級職員、 3年以上の中級職員、3年未満の初級職員、1年未満の新人職員に職位が分かれ、それぞれの 職位に応じて、求められる資格・能力を定め、必要とされる資格の取得を目指した研修を実施したり、 外部研修に派遣したり、積極的に支援しています。
コロナの影響で、最近はオンラインでの研修も多くなりました。パソコン及びプロジェクターを 使って、複数人で研修を受けます。コロナによるクラスター発生の様子も研修します。 わかうら会では衛生管理を徹底しコロナ発生の予防に努めています。

・福利厚生についてご説明ください

ワーク・ライフ・バランスの実現を目指しています。たとえば、若手職員の結婚・ 出産後の働き方として、常勤から短時間勤務制に変更する等、職員が希望する勤務 形態を実現できるよう柔軟に対応しています。また、資格により支給額は異なりま すが、介護職員初任者研修修了者等の資格保有者に対しては、就職後に就職御祝金 を支給しています。休暇制度も充実しています。年次有給休暇に加え、育児休暇・ 介護休暇・介護休業・子供の看護休暇などの特別休暇の他、当施設独自のユニークな制度として 誕生日休暇を取得できます。年間休日数に年間有給休暇取得日数を加えた当施設の介護職員の 平均休日取得日数は110日以上120日未満となっており、働きやすくて魅力的な 職場環境の実現に努めています。

(わかうら会は写真中央の赤い屋根の建物群)

今後の目標や計画について

今後の目標や計画はありますか?

この頃、日本人は介護職への就職希望が少なく、選考して採用するほどの求職者数はありません。 特に大学を卒業して応募してくる人が減ってきました。しかし、東南アジアの人たちは、 日本で働きたい方が多く、モチベーションの高い方が日本に来ています。 想像していた以上に日本語の読み書きができるので問題はありません。 介護の職場では日本人の採用が難しくなっているので、将来的には日本人職員より も外国人職員の方が多い職場が出てくると思います。「わかうら会」も外国人職員の採用が多くなると思います。
平成30年、和歌山市から「生活支援コーディネーター」を委嘱されました。 私どもの施設の利用者に十分なお世話をすることに勤めていますが、地域の方々が健康で 生活できるようなお手伝いをすることも私たちの使命だと思っています。 皆さまが、体操をできたり、文化活動ができるような場所を探したり、発掘することに勤めています。
介護保険制度ができて20年が経過し、充実してきました。まだ介護を必要としな い人々が、将来にわたって介護制度に頼らなくてもいいように、健康づくりのお手 伝いをしたいと思います。地域の方々のニーズを地域の問題として根付かせること が必要です。この中に、私達「わかうら会」がすべき仕事が見えてくると思ってい ます。

わかうら会から就職活動をされている人たちへのメッセージはありますか?

わかうら会は、アットホームな雰囲気の職場です。日本人、外国人を問わず温かい心の方は、 私どもの門をたたいて欲しいと思います。資格を持たない方も大丈夫です。 働きながら資格を取得する制度があります。働きながら専門学校に通う制度もあります。

インタビューを終えて

お話をお聞きしていて、平成8年11月に老人ホーム事業を開始された土山理事長 の利用者への熱い想いが伝わってきました。理事長の想いを受け継がれた土山施設長・事務長は 施設の運営とこれからの事業について、利用者と地域の人々に想いを寄せた温かいお話をされました。
小高い山の上に建つ「わかうら園」から見渡す風景はまさに目を見張る素晴らしさ です。「わかうら会」の心とされる“ご利用いただく方々には「満足感」”を“ご家 族の方々には「安心感」”を、そして“地域社会の方々には期待され「存在感」のあ る、次の世代に引き継いでいける総合的高齢者福祉施設へと発展させていくこと” が私の夢です、と話される理事長のお話が印象に残りました。
地域の中に溶け込んで運営されている「わかうら会」の今後ますますのご発展を 祈念申し上げます。貴重なお話を有難うございました。