企業訪問日記をご覧の皆様こんにちは!
第107回、今回ご紹介するのは、「地域と共に歩む喜成会」をキャッチフレーズ
とする『社会福祉法人喜成会』です。
今回は、事務長の植 泰彦さんと施設長の向井博子さんにお話しを伺いました。
【会社について】
・会社の歴史を教えてください。
昭和53年9月、厚生大臣の社会福祉法人認可を受けました。54年4月、特別養護老人ホームとして和歌山県知事から設置許可を受けました。54年5月、特別養護老人ホーム喜成会を定員50床で開設しました。以後、事業・施設を拡大して、現在喜成会グループは8施設になっています。
令和4年6月21日、和歌山県知事より「わかやま健康推進事業所」として認定されました。
・喜成会の基本理念はどういうものですか。
私たちは「活動と和」をモットーに、地域に開かれた、地域に愛される、地域に信頼される法人を目指します。
・喜成会のフィロソフィー(行動指針)は何ですか。
私たちの使命(ミッション)
① 喜成会に関わる全ての人を幸せにする
② 新しい社会福祉の中心として地域に貢献する
・喜成会の「心得」や「心がけ」はどういうものでしょうか。
① 利他の心 ② 笑顔を絶やさずに
③ 感謝の気持ちを持つ ④ 夢を描く
・ 顧客価値とはどういうものでしょうか。
① 安全 ② 礼儀正しさ ③ 快適さ ④ 専門性 ⑤ 効率の5つです。
・事業内容を教えてください。
1.特別養護老人ホーム喜成会
①特別養護老人ホーム(110床)②ショートステイ(10床)
③居宅介護支援事業所
2.ケアハウス虹の園
①ケアハウス「虹の園」(20床)②喜の国地域交流センター
3.高齢者総合ケアセンター「みらい」
①喜成会デイサービスセンター(45名)②喜成会ホームヘルプサービス
③生活支援ハウス(20床)④認知症対応型グループホーム(8床)
4.喜成会デイサービス「有本の家」
①喜成会デイサービス「有本の家」(30名)②喜成会ホームヘルプサービス有本
③喜成会ケアプランセンター「有本」
5.和歌山市より受託業務
①地域包括支援センター川永 ②第2層生活支援体制整備事業
6.養護老人ホーム「喜和の郷」
①養護老人ホーム喜和の郷(80床)
②喜和の郷ショートステイ(9床、ユニット型8床、従来型1床)
7.地域密着型特定施設「サンオーク紀伊」(介護付き有料老人ホーム)(27床)
8.高齢者総合ケアセンター紀伊
①グループホーム紀伊(2ユニット、18床)
②看護小規模多機能紀伊(29名登録)
③訪問看護ステーション紀伊
・喜成会の目指している独自の取り組みはありますか? ⇒ 健康経営です
1. 従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討
① 健康経営の具体的な推進計画
② 定期健康診断受診率100%
③ ストレスチェックの実施とメンタル窓口の設置
2.健康経営の実践に向けた土台づくり
① 管理職又は従業員に対する教育機会の実施
② ワークライフバランスの推進
③ 職場の活性化
④ 病気の治療と仕事の両立支援
3.従業員の心と身体の健康づくりに関する具体的対策
①具体的な健康保持・増進施策
②運動機会の増進に向けた取組み
③長時間労働者の対応に関する取組み
④メンタル不調者への対応に関する取組み
⑤感染予防に関する取組み
⑥喫煙率低下や受動喫煙対策に関する取組み
【仕事について】
・業務と職員構成を教えてください。
業務は、介護職員・看護職員・機能訓練指導員・(管理)栄養士・ケアマネージャー
生活相談員・事務職員・調理職員からなります。
正規職員は、男性84名・女性132名の合計216名です。
非正規職員は、男性11名・女性84名の合計95名です。
全体平均年齢は49歳で、合計311名です。
・「経営者から見た」職場の雰囲気はどうでしょうか。
職員は優しく明るい人が多く、職場の雰囲気は良いと思います。
特にどの事業所もチームワークが良く非常に働きやすい職場です。また、研修事業に法人として力を入れており、各人のキャリアデザインを描け、資格取得に関してバックアップを実施しております。法人としての取り組みが従業員のQOL(生活の質)の向上の為、中長期的なビジョンに基づいた組織活性化へ繋がることが期待できます。
・「介護は“サービス業”」をご説明下さい。
介護は対人援助サービスであり、人と人との関わりある仕事で、やさしさや笑顔が求められます。喜成会に関わる全ての人が幸せになることを目指しています。
行動指針にもあるとおり、顧客価値を担保するためにも、サービス業として関わっていく事が最も重要です。
・「物事の価値を生むのは“人が求めてくれるもの“」について教えてください。
物事の価値とはお金だけではなく、やはり「仕事のやりがい」が大きいと思っています。介護の仕事をする中で、利用者さんから“ありがとう”の言葉をかけて頂ける事が介護をしていくうえで一番のやりがいと感じています。
ご自分では出来ないところを援助することにより、そのことに関して感謝をしていただけるということは何事にも代えられない仕事のやりがいに繋がっています。
怪我をされたり、年齢と共に歩けなくなっていく過程で、しっかりとリハビリや機能訓練を職員が付いて実施することによって、歩行が可能となり「有難う」の言葉を頂けることがあります。
・こんな嬉しい言葉をもらい介護の仕事とは特に“人に喜んで頂けること”と感じるのはどのような時ですか。
上記のような場面で「有難う」という言葉を頂けるという事は、介護の仕事は、特に人に喜んでいただけることの具体例です。
・チームで仕事をしていく面白さとは。
介護は、24時間365日必要な方がおられます。
職員は、交代勤務で仕事をする為、一人ですべて見ることは不可能です。従って、1つの事業所では何人かがチームで関わっていく必要があります。
チームで仕事をしていくということは、コミュニケーション能力やその他いろいろなことが学べ、新しい気づきなどいろいろな発見があり、人間力の向上に繋がります。又、展開により地域貢献にも繋がります。
・社員の研修(キャリアプラン等)はどうされていますか。
職員の資格取得を積極的に支援しています。実務者研修や喀痰吸引。実地研修の法人内実施や法人内研修委員会において職員研修を毎月実施しています。特養では介護の質の向上を目指し「クオリティマネジメント」にも取り組んでいます。
研修事業として
① 認知症介護実践者研修及び認知症介護実践リーダー研修(和歌山県より受託)
② 離職者等職業訓練(和歌山県より受託)(介護職員初任者研修過程及び居宅介護従業者研修)
③ 求職者支援訓練(初任者研修課程)などを毎年法人内で実施しています。
・福利厚生についてご説明ください。
社会保険関係や定期健康診断の実施は充実しています。休暇制度は、有給休暇と特別休暇等です。公休については交代勤務ですが、年間120日(月10日)あります。退職金については、和歌山県民間社会福祉事業従業者共済(1年以上の勤務必要)と法人独自の退職金制度(中退共に準じる、3年以上の勤務必要)の2本立てで支給します。研修/教育プログラムは研修委員会で行います。
職員同士の親睦を深めるための職員ボーリング大会や職員親睦ビアガーデン等を開催しています。職員親睦合同忘年会等も実施していました(ここのところ、コロナで集合の忘年会は実施出来ていません)。和歌山市中小企業勤労者福祉サービスセンターのふくふくセンターに加入しています。その他市老施協主催ソフトバレーボール大会・親睦ボーリング大会等に参加しています。
【今後について】
・今後の目標や計画はありますか。
「健康経営」や「地域貢献」への取組みを進めていくとともに、働きやすい職場・職員が集まる職場を目指すために、介護の質の向上・効率化を目指して行きます。また、老朽化施設の居住環境整備にも力を入れて行きます。
・喜成会から就職活動をされている人たちへのメッセージはありますか。
福祉の仕事は、介護だけではありません。人生についていろいろ学べます。仕事を通じてチームワークを学んだり、地域活動に参加して、地域と交流することができます。また、施設の利用者の方は、人生の大先輩で、いろいろなことを教えてもらえます。
我々の法人理念・行動指針に賛同していただける方で、明るく真面目な方の応募 をお待ちしています。
> インタビューを終えて <
穏やかな印象の植さんと90歳を超えているとはとても見えないお元気な向井さんから喜成会の概要を説明いただきました。職員さんはとても仲良しで、みなさん楽しく元気に仕事をされているとのことでした。職場のトップにこのおふたりがいらっしゃるのなら、明るくのびのびした雰囲気の職場であることがうかがえます。
利用者に年間を通じて多くのサービスを用意され、施設内での生活を充実したものにされていることは素晴らしいことです。また地域とのつながりを大切にされており、喜成会が主体となって実施する盆踊りに地域の方も参加され、1000人にもなることは驚きです。地域社会と共に歩まれている喜成会の更なるご発展を祈念申し上げます。