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第95回 創業118年、学校制服を中心とした製造・販売。アフターフォロー
株式会社エイコーコジマ

業種:
製造
職種:
営業/ 販売・フード・アミューズメント/ ものづくり/
企業訪問日記をご覧の皆様こんにちは。
今回は、「文化」を継承し、新しい「チャレンジ」を重ねる企業「株式会社エイコーコジマ」を紹介します。



本日は、代表取締役社長 小島 吉勝 様にお話を伺いました。



会社について


Q.会社の歴史について教えてください

 1901年(明治34年)にかつらぎ町にて創業しました。
 当初は大谷木綿という織布を作り、大きな釜で染色し反物に仕上げる商売を行っていました。創業者である小島鹿之助と二代目の重清で大八車を引っ張り、徒歩で峠を越えて大阪まで行商に行っていたそうです。
 その後、二代目により和歌山市へ移転し、ミシンによる縫製品“あつし”(昔の作業着)等の製造を始めました。この頃から学生服の製造も始まっていたと聞きました。
 戦時中は半国営のような形になり、軍服や統制品の製造を行っていましたが、その後は学校制服等の製造販売が中心になりました。
 現在は、時代に合わせた新商品の開発やリユース販売など、今までの常識にとらわれず、お客様に喜ばれる仕事を目指し日々取り組んでおります。


Q.現在はどういった品目を製造・販売していますか?

 
幼稚園から高等学校にかけた制服の製造・販売が中心になります。企業ユニフォームや作業服などのメーカー定番品に、刺繍、プリント加工を行うデザインマーキングも行っております。



仕事について

Q.一日の仕事の流れを教えてください

 
朝礼にて、全社員で営業と工場の状況確認を行います。出勤の変更なども、ここで皆に伝えます。
 朝礼後はそれぞれの持ち場につき、その日の仕事にあたります。
 営業は、お店のお客様の対応や、電話対応、学校・企業様の対応を中心に、商品・資材の発注・在庫管理・伝票処理なども行います。
 工場は、設計部門、裁断部門、縫製部門、仕上げ部門に分かれて作業にあたります。袋詰めなどは、手が空いた人でこなしています。
 時期によっては、採寸が多いときや、縫う作業が多いときなど、作業量に大きなかたよりが生じます。
 当社は、営業メンバーが工場の手伝いもしますし、入学前などの繁忙期には、工場メンバーが、採寸の手伝いをするなど、担当領域の垣根を越えて仕事にあたっています。

  
(写真は左から縫製を行う場所、型紙等を作成する場所、商品の梱包等を行う場所)

Q.仕事の面白いところを教えてください。

 
工場担当と営業担当では意見が違いますので、ここからは分けて答えさせていただきます。
 工場 自分の仕事が製品となって世の中に出ていくところや、自分が縫った製品が出荷され、街で着用された様子が見れるのは面白いです。後は、思い描いたとおり、綺麗に仕上がったときはとても嬉しいです。
 営業 中学校の入学時は、私服から制服への切り替わりの時です。試着室のカーテンが開いて、わが子の初めての制服姿を見られた親からは、感動の声が上がります。接客している我々も、子どもの成長を喜ばれる場面に立ち会うことができ、嬉しい気持ちになります。
 
その他にも、お客様の要望に応じて、または予想しながら、洗える制服の開発やニットセーラーの開発、リユース販売など色々なチャレンジをしています。そういう試みが実際に成功してお客様に喜んでいただけた時は非常に嬉しいです。


Q.仕事をする上で特に気をつけていること(難しいところ、仕事のコツ)はありますか?

 
工場 シンプルなことですが、いかに綺麗に縫うか、早く仕上げられるかを、常に考え続けています。
 営業 お客様が何を希望されているかを感じることです。


Q.仕事のやりがいについて教えてください

 工場 色んな縫製にチャレンジできる所や、長く働いている中で、できなかったことができるようになった時、よりたくさん仕上げられるようになった時です。

 また、周囲の人たちと協力して、良い製品を仕上げられた時や、お客様に喜んで頂けたことを聞けるのは、とてもやりがいを感じます。お客様の意見が、工場に届きやすい珍しい会社だと思います。
 
営業 お客様のご要望に合う商品を、お客様と共に探し、同時にスピード感を意識して仕事をする中で、お客様の満足された様子を感じ取ることができた時は、とてもやりがいになります。

 
(ニットセーラーやリユース販売等、新しい取組にチャレンジしている。)

Q.職場の雰囲気を教えてください。

 
色々な年代・技術差・経験差がありますが、同じ目的をもって進めるように、それぞれが気配りを心がけてくれています。

Q.リユースやニット生地の制服など、新たなサービスや商品の開発に対して積極的に見えます。どうやって新サービスや新商品が誕生したのか、経緯を教えてください。

 お客様のお話や反応など、良い意見も悪いご指摘も常に社内で共有し、今後のサービスや開発に役立てています。
 制服業界は、変わらないことを良いとする文化もあり、変化に乏しい業界です。
 しかしながら、お子様や保護者の生活スタイルが時代と共に変化している中、今望んでおられることは何なのかを常に考えて、具体的なチャレンジを日々重ねています。
 リユース販売やニット生地のセーラー服なども、従業員全員で意見を出し合い、企画から開発まで行いました。
 一方で、制服の良し悪しは、学校の生徒指導に関わりますので、学校への確認、生地の耐久試験、モニター様に一年間着用してもらうなど、慎重に開発・販売しています。

Q.服の製造は技術力が必要だと思いますが、技術力の向上、また技術の継承についてどのような取組みをされていますか?

 
まずは、何よりも会社の成長を願う先輩達がいます。
 その人達が若手に対して繰り返し繰り返し丁寧に指導し、若手の人達も、聞き漏らさないように必死でメモを取り、間違いを繰り返さないよう集中して取り組んでいます。
 最近では、先輩の動作や指導内容を動画にとって、タブレットでいつでも見れるようにしています。

今後について

Q.今後の目標や計画について教えてください

まずは、和歌山で一番お客様から頼りにされるお店になることです。
 少子化が進み、価値観が多様化する中で、制服専門店として生き残るために、これからも非常に厳しい選択を迫られることは間違いないと思います。実際の現場は、納期に追われ、延々と縫い続ける日も少なくありません。苛立つ時もあると思います。新人さんからすれば、ついていけないと感じることさえあると思います。
 そんな中でも、100年以上にわたり、懸命に頑張ってくれた先輩達の想いを絶やすことなく、従業員皆が「辛い時もあったけど、コジマで働けてよかった」と思ってもらえるような会社にしていきたいと思います。



Q.最後に現在就職活動中、今後活動する方へのメッセージをお願いします。

 当社の仕事は、経験や資格よりも、人柄を大切に考えています。また、服作りの楽しさと接客の楽しさを実感できるお仕事です。ご興味がおありの方は、お気軽に、会社見学に来てくださいね。

企業訪問日記担当者の感想


 人柄の良い社長をはじめ、従業員の一人ひとりの関係性がまるで家族のようで、「アットホームな雰囲気」でしたが、仕事が慣れあいになる事は無く、「仕事には辛いこともあるけれど皆で乗り越えよう!」という雰囲気が話の中から伝わってきました。
 「変わらないことが良い所」でもある制服業界において、新しいことにチャレンジしていくことはとても素晴らしいと思います。
 服やものづくりに興味はあるけれど未経験で躊躇している方、ここなら先輩が一から教えてくれて、未経験でも立派に働いていけると思います。興味のある方は一度連絡してみてはいかがでしょうか。