和歌山市|企業訪問日記・サイト担当者による事業者のインタビュー記事|第93回 「和」の心と「和歌山」の食材で最高のおもてなしを提供

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第93回 「和」の心と「和歌山」の食材で最高のおもてなしを提供
四季の味 ちひろ

業種:
飲食・宿泊
職種:
販売・フード・アミューズメント/

 企業訪問日記をご覧の皆さまこんにちは。

 今回は、四季折々の旬な素材でおもてなしする、創業50年以上の老舗「四季の味ちひろ」を紹介します。

 

 本日は、代表取締役 西廣真治様にお話を伺いました。

 

 

お店について

 

Q.事業について教えてください

 国外・県外からのお客様は、旅先で地元の食を味わうことが醍醐味であると思いますので、和歌山の新鮮な海の幸・山の幸を使った日本料理を提供し満足してもらうことです。

 また、飲食業は、「サービス」「空間」「食」を三位一体で提供しなければなりません。そのため、社員と一緒になってお茶の文化や礼の作法などを勉強し、お客様に「和」の素晴らしさをお伝えできるように日々研鑽に励むと共に、空間については、日本庭園を見ながら食事ができるテーブル席、桜の壁画がある大広間、畳のテーブルが珍しい茶室など、様々な用途に応じることができる空間を用意しております。

 また、各お部屋や廊下に色々な作家さんの絵を飾り、「和」や「和歌山の地域性」を感じてもらえるようにしています。

   

 (左から、式典も行える大広間にある桜の壁画、日本庭園を望む1階テーブル席、本格的なお茶を楽しめる茶室)

 

Q.お店の歴史について教えてください

 昭和40年に、和歌山市築地にて和歌山で初めてのふぐの専門店として創業しました。その後、和歌山の玄関口が和歌山市駅から和歌山駅に移り、ぶらくり丁から和歌山駅までの人の流れができるだろうと思い、現在のアロチに東店として開店しました。

 

(左から、和モダンの個室、店内各所に飾られている様々な作家さんの絵

 

 

勤務内容について

 

Q.どのようなお仕事(職種)がありますか?また、仕事をする上で特に気をつけていること(難しいところ)はありますか?

 職種は、ホール、調理、事務があります。全員で力をあわせて頑張っています。

 特に気をつけていることは、教養をつけることです。お客様は良い方ばかりですので、お客様から学ぶこともたくさんあります。それに加えて、お客様が紳士淑女ならば、私たちも紳士淑女にならなければなりません。そのために、読書会を開くなど、従業員には学ぶ機会を与えたいと思っています。

 もうひとつは、「和」です。海外からのお客様が増えている昨今において、来ていただいたお客様には「和」の美しさであったり「和」の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。

 

Q.仕事のやりがいについて教えてください

 人間とは、「人が喜んでいるところを見て喜ぶことができる」唯一の生き物だと思います。

 サービス業というのは、人に喜びを与えられる商売だと思いますので、それを追求すれば追及するほど、自分のモチベーションが上がると思います。

 

Q.職場の雰囲気を教えてください

 雰囲気は良いと思います。人間ですから全てが上手くいくということは無いんですが、普段から「美点発見」の視点で、他人の嫌な所を見るのでは無く、良い所を見るようにしようという事を話し合っています。

 仕事場には老若男女揃っていますが、お互いに教え合いながら、刺激しあっています。

 

Q.従業員の知識の習得やスキルの向上について何か取り組みをされていますか?

 調理では、常に新しいものを取り入れながら、料理長を中心に教えています。基本的には仕事をしながら覚えるOJTで学んでいただきます。

 また、ホールや事務で働くスタッフも様々な研修に参加しながら、日々向上心をもっ7て働いています。

 

Q.福利厚生について教えてください

 独自のものでいうと、お茶の稽古を受けることができます。

 あとは、希望者で年に一回、社員旅行を実施しています。今年は20人弱で台湾に行きました。

 

Q.今後の目標や計画について教えてください

 和歌山はこれから国際化が進んでいくと思います。人口が減っていく中で、内需が伸びることは難しいと思います。労働力も含めて海外に頼らなくてはならない中で、日本の伝統文化をいかに伝えるかということを目標にしています。

 「日本は良いね、和歌山は良いね!」と言ってもらえれば、もしかしたら住んでくれるかもしれないし、口コミで他のお客さんを呼んでくれるかもしれないので、地域レベルで盛り上げていければと思います。

 現在は地域を盛り上げるために、活性化の組合を作って話合いをし、月に一回まちの掃除をしています。

 これからも、店を通じて、さらに地域を盛り上げていかなければならないと思います。

 

Q.最後に現在就職活動中、今後活動する方へのメッセージをお願いします

 今は、働き方改革といわれる時代で、「働く」ということにマイナスイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、「自分が何をしたいか?」をしっかり見つけて、希望をもって切り拓いて欲しいと思います。

 お金のため、生活のために働くのではなく、働くこと自体を喜ぶことができるような仕事を見つけ、頑張って働く「労働」ではなく、喜びながら働く「喜働」になるようにしてもらえればと思います。

 最後に、二つ好きな言葉を紹介します。

 

「No problem without solution」訳すと「解決策の無い問題は無い」という意味です。問題が立ちはだかったときは、必ず解決策はあるという気持ちで取り組んでもらいたいと思います。

 

「Bloom where you are planted  to」訳すと「あなたが植えられた所で咲きなさい」という意味です。今いる場所に不満を言うのではなく、今いる場所で喜んで働いてもらえればと思います。。

 

 

訪問日記担当者の感想 

 

 お話を聞いていると、自分のお店や会社のためではなく、地域全体の発展を思っておられ、地元和歌山への愛を強く感じました。

 働くという考え方も、「働き方改革で労働時間の削減ばかり言われているが、それは間違っている。」「仕事は辛いものという前提の考え方ではダメ、いかに仕事を喜んでできるようにするかが一番大事」「残業などの仕事の時間を減らすことが経営者の仕事では無い、喜び・希望を見出しながら仕事をしてもらう環境を整えることが経営者の仕事だと思います。」とおっしゃっていた事が心に残っています。

 しっかりとした信念がある経営者の下で働くことは新たな発見や勉強に繋がると思います。興味のある方は一度お話を聞いてみてはいかがでしょうか。

 

 西廣様、本日はありがとうございました。